NIFTY SERVE 在宅ワーキングフォーラム短期会議室
【緊急討論】「初心者必読!在宅ワークとは」1998.3.19〜7.31

ボードリーダー週報-09:4/26〜5/2
発言:0363〜0425

  この週は議論というより、討論という会議室の雰囲気も沈静化する
方向に徐々に向かい、有益な発言も再び増えてきました。
私的には勤務先のリプレースと重なり(担当)、体温が38度以上という
状態で、「在宅ワーカーと休みは同じかな」と思いながら、GWも連日、
出社しており、辛い時期ではありました。

  まず、発注者の留意点についての問題提起から発展し、在宅ワーカー自身
の不意の事故に伴う損害について支払われる保険の提案がありました。

  次に雑誌の記事を参考にして行動した結果について、率直な御報告があり
ました。この時期の会議室の雰囲気で御発言頂き、頭が下がりました。
他方、雑誌やある種の商売を助長する危険性もあったのですが、FWORKの
会員の問題検出能力に敢えて賭け、実情を周知した方が被害が未然に防止
できる可能性も高いと判断し、実態把握を優先致しました。

更に、クライアントに対する姿勢や現状分析や課題の抽出もされています。


1.発注者の留意点とリスクマネジメント

   前週末に発注者の留意点として問題提起がありました。

1.1.スキルの有無。

1.2.損害賠償も含め、トラブルに対する対応能力の有無。

 ・プロ意識が十分でも、不測の場合の在宅ワーカーの損害賠償能力が問題。
   特に、アンケートの結果を見ると余計実感。

 ・損害賠償の方は、少ない掛け金で一定の条件の下で、支払われる保険が
   欲しい。

 ・「self-employed」とクライアントとの関係はかなり多様であるため、
   料率の設定が問題。保険会社も料金設定用の統計的な根拠が不足。

 ・「自分が万一事故で死亡したら、この仕事はどうなるのか?」という
   不安になる時がある。「自分 にしか分からない」という内容の仕事も
   あるので、損害賠償等の問題よりも業務停止の危険性の方が大。

 ・業務の正常な進行を担保する方法については「お手上げ」が実情。

 ・二重化するのが最も効果的だが、コストがバカにならないので二の足。


2.雑誌の記事を参考にした行動

   雑誌の記事を参考にして行動した結果について、2件、率直な
 御報告がありました。

2.1.実例1

 (1)FWORKでも過去より話題になっていたワープロ講座を受講。おまけに
    そこでワープロまで購入、上級講座にも申し込み

 (2)検定を受けるつもりで、以前より興味があったパソコンを購入。

 (3)ニフティに加入し、FWORKを見れば、仕事につながる情報があると
    いう内容の雑誌の記事を思い出す。

 (4)ニフティに加入し、本を買い、ビギナーズコーナーで練習、
    FWORKに辿り着く。

 (5)趣味のフォーラムを先に見ただけに、FWORKは厳しいと思った。
    雑誌には、仕事が多数あると書かれていたが、自分に適したものは無い。
    また、初心者の知らないがゆえの素朴な書き込みに会員が苛立っている
    印象を受けた。
    そこで、「おいおい、あの雑誌の記事はなんだったの?実際とはえらく
    違うやんか。」とやっと気付き、場違いなところにいるような気がした。

 (6)こんなに何も知らないで雑誌の記事を見てこちらに来るの人間もいる、
    ということも知っていて欲しい。


2.2. 実例2

 (1)フリーになって1〜2年位(9年位)の頃は情報がまだまだ少なく、実務
    経験3年位の素人に毛が映えた程度(本当にこう言われた)の主婦には
    仕事は見つけられなかった。そこで見たのは、主婦向け雑誌の特集。

 (2)買った雑誌の在宅ワーク特集に、以前勤めていた会社の在宅スタッフ
    登録者募集の記事が掲載されていたが、編集者の依頼による「やらせ」
    であり、実際も募集は無い事が判明。

 (3)なぜ、主婦は主婦向けの在宅ワーク特集の記事に弱いのか? 

 これについて以下の指摘がありました。

 ・行動するときに使われる情報がマスメディアからの情報だけに偏って
   いる事を社会心理ではメディア依存と呼ぶ。マスメディア以外の情報
   資源が少なければ少ないほど、マスメディアからの情報の影響力大。

 ・保有している社会的なネット・人脈が少ない程、マスメディアからの
   情報に依存。

 ・日常生活への不満感が比較的高い事、モノよりも心の充実を求めて
   いる事等が、専業主婦が在宅ワークを指向する遠因。

 ・情報の氾濫により、自分の頭で考えなくなってしまっているのでは?

 ・仕事だって生物(なまもの)。いくら良い専門学校に行き、多額の
   設備投資をしても人のつながりがなければ、仕事は出来ない。

 ・あくまでも雑誌に書かれている事は、1例に過ぎないし、Q&Aの回答
   も1例に   すぎない。自分で考える事が必要。

 ・これだけ情報があるのは羨ましい。苦労してやっと辿り着きそうに
   なると、要領の良い兎がすぐ後ろにいるという感じ。


3.クライアントとの関係と姿勢

   仕事は「させてもらって」いますか?という問題提起がありました。

 (1)「させてやってる」+「させてもらっている」
    仕事が発生しているので、よしとするが「より良いもの」は生まれない。

 (2)「させてやってる」+「してやってる」
    何かトラブルがあった時には必ず関係が崩れる。

 (3)「してもらってる」+「させてもらっている」
    納期遅れなどのトラブルがあっても「解決策」をお互いに生み出す
    ことができる。

 ・「失敗しない秘訣は?」   「成功するまで続けること」


4.現状の分析と課題の抽出

   頭記についてのまとめの発言がありました。
 以下に要点を示します。

4.1.現状認識の総括
 (1)古くて新しい「在宅ワーク」
 ・明確に分けて考えなければならないのは、企業の一員として企業の承認
   を得て行う「在宅勤務」と、独立・自営型の「在宅ワーク」は、明確に
   区別して語られなければならない。「在宅ワーク」という業態は、
   決して新しいものではなく、昔からある自宅兼店舗の商店や、自宅を
   拠点としたフリーランス等々実に幅広い職種が含まれる。

 ・これらの職種は、別に昨日や今日、突然降って沸いたように発生した
   ものではなく、   昔からあるものである。各職種の共通点は
   「自ら開業し、自ら営んでいること」。
   これら別々の職種を横断的に表現する「業態を現わす言葉」として
   「在宅ワーカー(self employer:自らが自らを雇用する者)」という
   呼称がある。

 (2)マスコミ(情報発信側)、読者(情報受信側)双方の想像力の欠如

   ・昨今の各メディアでの「在宅ワーク」「SOHO」の取り上げられ方は
   「在宅ワーク」という言葉でイメージさせる職種に非常に偏りがあり、
   「主婦が気楽に家庭でできる主にPCと通信回線を使った文字入力、
     またはDTP等の職種」に限定。

 ・この誤解により、「初めに職種ありき」と考える人と「初めに在宅」
   と考える人との間ですれ違いや軋轢が生まれており、弊害が著しい。

 (3)「在宅ワーク、SOHO」バブル崩壊直前?

 ・女性週刊誌にまで記事が出るようになったという事は、在宅、SOHO
   崩壊も近い。
   取り上げられ方は2〜3年前の「インターネットバブル」の時の状況に
   似ている。
   放っておいてもメディアが次のターゲットを見つければ、自然に沈静。

4.2.今後の展望:情報通信ネットワークの発達とテレコミューティング進展

 ・コンピュータテクノロジと情報通信ネットワークのますますの進展に
   より、社会は確実に「時間と空間」の壁を超える。

 ・これらにより、「人」を移動させるよりも「情報」を移動させる方が
   遥かに早い上に、それでいわゆる仕事の99%までは事足りるため、
  「通勤」を必要としない就業形態が確実に増える。

 ・情報通信テクノロジーを駆使した新しいビジネスも次々と勃興。

4.3.克服すべき共通の問題

 (1)self employerの現状:失業者となるリスクと潜在的に常に背中合わせ

 ・「資本家」でもあり「労働者」、「生産者」、「経営者」でもある。
 ・「料金の不払い」等の「リスク」がある。
 ・既存の企業からは、自社に専任の正規従業員を抱えるコストの節約と
   いう側面と、これらの正規従業員によるスト権の行使中の代替要員と
   して利用される危険。
   また、正規従業員には保証されている様々な福利厚生から疎外される
   危険と、同種の仕事を行なう正規従業員から、妙な選民思想で差別
   されたりする可能性。

  ※self employerを「委託労働者」と捉えた場合の、リスクと不平等に
   関しての世界の趨勢については、昨年のILO本会議議事録の翻訳版参照。

 (2)競争相手は世界:低賃金の海外との競争

 (3)低価格化の進行

 ・入力等は特定の個人に仕事が集中しやすく、結局1人で賄いきれない
   ため、ヘルパーをつくる。そのため、ヘルパーを中心に、安くて大量に
   個人が増加。
   そして、ある程度スキルがついた際に、○○円でやっていましたと営業
  (未経験なものに関しては、個人のヘルパーから入るのが楽なので、
   それについては否定しない。要は妥当な価格設定)。

 ・「断る」「価格交渉」「納期交渉」その他の発注側からみたら我侭と
   思える交渉をした結果、本当の実力のある、もしくは信頼関係が成立
   しているクライアントに絞られてきた。「断る」ということをして、
   自分の甘い分野もわかった。
   
 ・大量流入による価格破壊には、作品の品質を高めることと速さ、
   小回りで対抗するしかないのかもしれない。

 (3)経営者・起業家(起業で大袈裟と感じるならば自分の店を開く)として。

 ・規模や売り上げの大小、本格的にやるか内職程度かを問わず否応なしに
   経営者としての資質を求められる。

 ・失敗する可能性もあるということを、まず、覚悟しなくてはいけない。
   「商売に絶対はない」。 

 ・自分で決断した結果を受け入れ、決して後悔しない「自己責任の原則」。

5.その他
 情報不足への不安感やフォーラムの活用が指摘されました:

以上、中原 新太郎


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