NIFTY SERVE 在宅ワーキングフォーラム短期会議室
【緊急討論】「初心者必読!在宅ワークとは」1998.3.19〜7.31

ボードリーダー週報-08:4/19〜4/25(その2)
発言:0184〜0363 

2.理想と現実

   BLとして、フォーラム分割論に対しては
 (1)時間がくれば第二、第三のビギナーズコーナーが際限なく必要となる。
 (2)情報の流通が阻害される。対外的に与える影響は皆無。
 電脳内職やビギナーと経験者の区別については
 (1)拘泥するのは当事者のみ。
 (2)一度問題が発生したとき、法的にも社会的にも改善条件は、他の業態と
    比べて整備されているとは言えず、多くの課題を抱えている状況は同じ。
 (3)所謂「電脳内職やビギナー」と既存の事業者を世間が同列に見ていると
    すれば、「電脳内職やビギナー」の方々の行動や評価は「在宅ワーカー」
    全体の評価に多大な影響を与えるのは自明であり、そこで排除・区分を
    しても、極言すれば「茶碗の中の嵐」
 という評価を加え、議論を中断した上で改めて上記の問題に対して、各人の
 周囲の状況を御報告頂きました。また、「現状認識」という問題提起を頂き、
 発言が続きました。

2.1.現状

 ・「在宅ワーク」という労働形態に対する認識が十分になされていない。

 ・認識が不十分なまま市場が拡大していることから発生している「弊害」
   に対しては、感じている「危機感」に立場、環境により大きなズレ。

 ・「在宅ワーク」もビジネスの一形態である以上、「市場原理」が働く。
   「市場」が健全に機能してこそ、「在宅ワーカー」が存在できるが、
    この「市場」に破綻が生じ始めている。

 ・「在宅ワーク市場」の混乱が、市場の未成熟が原因で生じている。
   しかし、この混乱が市場の成熟のための「通過儀礼」であるならば、
   できるだけ早く、正しく乗り越える必要がある。

 ・在宅ワーカーが求められのは、牛丼ではないが「早い、安い、巧い」。
   正社員を使うよりも早く、費用も安い。できあがったものは、レベルの
   高いもの、間違いのないものを求めている。
   見誤られる可能性としては単なる便利屋。

 ・「在宅ワーク」の職域が広い、
   職種を移動、組合わせできる可能性がある
   従来の縦のヒエラルキーを越えた、繋がりがある
   表面形態は特定できない等のメリットが、旧来の会社&仕事の価値観と
   大きく異なるため、すっきりと情報が整理できない。

 ・参入目的も掛かる金額&労力も千差万別である。
   (1)趣味として
   (2)副業として
   (3)ライフスタイルの一環(フリーター的?)
   (4)独立、生活の糧
   (5)ベンチャー、起業
  しかしその中で「仕事」に対する捉え方が異なるので議論しても、
  かみ合わない。特に(1)は旧来感覚では一見「遊び半分」に見える。


2.2.理想と現状のギャップ

 ・在宅入力系の仕事は、漫然と仕事しているだけでは、企業に使い捨て
   られたり、価格低下による採算性の悪化に陥る。
   質と量の確保の努力が必要。解決法は人材の確保・育成だが、困難。
   迂遠な方法だが、「在宅をこれから始めたい」という人を一から育成
   する事が有効と思われるが、問題は手間暇・経費が掛かるという事と
   遠回りすぎて目的地に向かっているのか判らなくなる時もある事。
   さらに一度に育成可能な人間の数が少ない事で。
   個人で取り組むには巨大すぎるテーマであり、ある程度の効果を
   上げるためにはなんらかのシステムに依拠せざるを得ない。

 ・端的にいえば、苛酷な労働と低報酬。使い捨ての構造。その従来の構造
   をなぞるようにして、企業主導、在宅ワーカー迎合で、原価割れ受注等
   流れが進みつつある危機感がある。
   市場規模の拡大・縮小や、淘汰のメカニズムとはまた別の問題。

 ・CAD等建築業界の封建性。縦割りが強く親会社や元請けあるいは施主
   からいわれるとどんなことでも「いや」とは言いづらい。「恩と奉公」
   の封建時代そのものの考え方をする。根拠もなく、相手が権力を持って
   いるからという理由で無理強いをされたり、諦めさせられた事も有る。

 ・出版業界でいえば、
  (1)報酬は古くからある業界の慣例に従ってある程度会社や媒体毎に決め
    られており、スキルアップが報酬に影響を及ぼすことは少ない。
  (2)事前に報酬額を知らされることが少ない
  (3)編集プロダクション等の中間業者が入ることで未払や減収、踏み倒し
    等が稀にある。
  (4)契約書が交わされることが少ない。

 ・競争そのものが悪いのではない。ルールがアンフェアである事が問題。

 ・場所を拘束せず働かすと言う事は、そのワーカーに強い自己統制能力
   を要求。

 ・企業の持つ既得権に「個人」がぶらさがり、企業vs個人、個人vs個人の
   間でフェアな競争原理が働いていないことが閉塞感を生む。

 ・「個」としての成熟が、「在宅ワーク」の成熟に繋がる。

 ・理想と現実のギャップとは、仕事をすればするほど深まっていくもの。

 ・レベルの低いクライアントには、在宅ワーカーらの技量の程が判断でき
   ず、報酬が安ければいい、無茶な納期・注文に、四の五の言わずに応じ
   てくれればいい等、結果的に、自らの首を絞めるかのごとき、後ろ向き
   の方向性、従来と全く変わらない「下請け感覚」でしかビジョンを描け
   ないところが、残念ながら多い。

 ・トラブルを解決するのに必要なのは、在宅ワークへの理解ではなく、
   その業種 についてのコンサルテーションであり、発注側に不備が
   ある場合は、それをフォローするコーディネートである。


2.3.今後の展望

 ・長い人生の内で1つの職業を全うするのは、この混沌の時代には困難。
   サラリーマン社会がくずれ、学校システムが硬直化してる昨今、
  「専業主婦」とて、その役割&価値観を真剣に模索せざるを得ない。
   一つの職種や会社やコミュニティ(含家庭)に共依存して共倒れになる
   より、逞しく「個」としての自立としての期待が仕事の大小に拘らず
  「在宅ワーク」にはあるのではないか。
   やはり、「own risk」取捨選択が必要。

 ・会社員とself-employedとは、隔絶された二項ではない。ましてや対立
   する二項ではない。この境界は相互に次第に浸食されていく。

 ・自由競争でも弱肉強食だけではいけない。「競争」が交感神経ならば、
   副交感神経としての「協同」も必要。

 ・「在宅ワークを目指す人達の間でも、目指すレベルの差がある。
   これらをひとまとめにして、同列で扱うことに無理がある。

 ・誰でもどこでも好きなときに自分の能力を生かした仕事ができる。
   やりたくない仕事はやらず、やりたい仕事をやる。
   いくら金で頬を叩かれても動かなくて済む。
   みんなの気持ちが通じ合っていれば助け合っていける。「なんで見ず
   知らずの人間のために働かなくてはならないのか」ではなく、「私が
   働くことはあの人のためにもなる」と考えることができる。在宅が
   普及するとそんな社会になりそうな予感がする。


2.4.コミュニティの形成

 ・「在宅ワークという労働形態を軸とした広範囲なコラボレーションを
   目的とするコミュニティ」が必要。職種や雇用形態(自営か雇用された
   会社員か)に関わらず、「在宅ワーク」を軸にして共通の問題意識を
   抱えているならば、それを起点にしてコミュニティを形成が可能。

 ・そもそも、在宅ワークという業態でカテゴライズした場合、全員が
   幸せになることは不可能。

 ・「みんなが」幸せになる事は不可能でも、「みんなで」幸せになる事は
   可能。共通の問題意識を持つ人々が、「相互扶助」により「みんなで」
   幸せになる、というシナリオは実現不可能ではない。
   「総ての人が幸せになる」という意味ではなく「より豊かな幸せのため
   協力しあう」という方向性。

 ・「self-employed」の道を選ばれた人間は「一匹狼」的な意識を多かれ
   少なかれ有する、またその意識が仕事をしていく上での原動力。
   そういう「一匹狼」が、「みんなで幸せに」という発想を持つこと自体
   大きな矛盾。しかし、この矛盾が止揚された先に、新しい「相互扶助」
   の地平が広がっている。

 ・在宅ワーカーが在宅ワークにまつわるいろいろな問題を個々人が、その
   状況に応じて解決していけるような議論展開であり、それが結果的に
   相互扶助になる。

 ・在宅ワークの地位向上を図るため、法律や条例を改正をしたり、新たに
   運動を行う NGO・NPO としての活動はあると思う。しかし、その活動の
   従事者の収入には直接には結びつかないのに多大な時間とパワーを割か
   れてしまう問題があり、困難。

 ・個人事業者が、公正な競争のもと切磋琢磨し、共通の利益がある部分で
   はゆるやかに連携し集団的・社会的な力を得たい。



3.雑誌を使って正確な情報の流通・広報を

   また、逆に雑誌を使って正確な情報の流通・広報をするという御提案も
 ございました。その中で、従来の雑誌を読んだ結果について、

 ・雑誌を読んだ結果、通学したPC学校の講師に
  「何を勉強したいのか」
  「在宅ワークしたいので、勉強したいのです。」
  「在宅ワークで何がしたいのですか。」 
  「在宅ワークの仕事は何が有るのですか。」
  「仕事をするには何を勉強したらいいのですか。」という質問をした。
   雑誌から得た情報というのはこの程度。

 ・雑誌では、今日からでもすぐに始められるようなおいしい言葉が並んで
   いた。

 ・ニフティのフォーラムにいけば、仕事が見つかると思った。

 という率直な発言がありました。一方、伝えて欲しい事項が提案された。

 ・納期を守るために徹夜もする。そういう時には家の中もぐちゃぐちゃ。
 ・家族の理解も絶対に必要
 ・体が資本
 ・子どもの病気を理由に納期に遅れる事はない。

   その上で「[初めに場所(自宅)ありき]なのか[初めに仕事(職種)ありき]
 なのか」で、その後の展開がずいぶん違うというコメントがありました。



4.ネットワークの提案

  「プロの時代が好き」という表題で相互補完の提言があり、発言が続きました。

 ・人によって得意分野も実績も異なる。営業屋と技術屋でチームを
   編成、もしくは組織化等、夫々の得意分野を生かす、プロが作業
   を分担するというのが在宅ワーカーのありかたではないか。

 ・仕事の発注元にすれば個人に仕事を任せるというのは非常にリスキー。
   力量なりを納得させ、信頼を得るには、発注元へ通い、そこで仕事を
   することも必要。

 ・風潮や社会のせいにするのは好きではない。
   有効な提案ができれば殆どのことはブレイクスルーが可能。

 ・大組織神話は脈々と生きている。能力では、実際に負けていなくても
   日本ではまだほとんど通用しない。是非とも、在宅ワーカーのネット
   ワークをつくり、発注者側に「ウンこれだったら発注してやるよ!」
   と言わせるような時代をつくるべく少しでも努力したい。

以上、中原  新太郎



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