NIFTY SERVE 在宅ワーキングフォーラム短期会議室
【緊急討論】「初心者必読!在宅ワークとは」1998.3.19〜7.31

ボードリーダー週報-03:3/29〜4/4
発言:00053〜0084 

  この時期には「初心者の参入と市場の混乱」という会議室の設立背景の
一つに沿ったもの、「在宅ワークと儲けの関係について(儲け度外視の人の
分析を含む)」、「在宅ワークの阻害要因」、「プロ意識」、「情報収集
(方法ではなく姿勢等)」という5群の発言がありました。
「輝く」ことについては、次週以降ツリーを構成することになります。

  また、現在の状況を自分自身の問題にからめて分析するという雰囲気が
醸成された一方で、振り返ると、この時期に「初心者に対するコメント」
や「FWORKの運営について」という、本題と無関係で、かつ議論のための
議論が続き、前向きの提案が無く、議論が矮小化したまま無限ループに
落ち込むという、後の困った論争発生の下地ができたような気がします。


1.初心者の参入と市場の混乱

   まず、初心者の参入と市場の混乱という問題提起が前週になされ、
 その関連発言が形成されました。

 ・「まだOJTが必要な初心者」と「既に確立されたスキルを有するプロ」
   の双方が、同じ市場で同列の評価基準によって評価されている。
   通常の市場では、「安かろう・悪かろう」の商品は自然に淘汰され、
   既存の市場とは異なる基準を持つ市場を別個に形成するようになるもの
   だが、そういう方向に進んでいない。その理由は
  (1) 流入する「初心者」が相当数に上ること
  (2) これら「初心者」に対するOJTそのものを商品とする企業の活動
  (3) マスコミによる一面的な情報の流布等である。
   これらは独立変数ではなく、相乗効果で、互いの増加要因となり、
   スパイラル状に増大しつつある。

 ・「初心者の参入による単価下落」「新規参入者の意識」といった問題が
   過去繰り返し出て来ている。但し、以前は発言者がそれぞれ因って立つ
   所をしっかりと持った上で、議論をより建設的な方向へ進めようとする
   雰囲気が強く感じられる。やはり問題の質がかなり変化している。

   ここで、FWORKライブラリー(「在宅求職者の評判」)収録の
   マスコミの取り上げ方との比較で、最近のマスコミではスポンサーで
   ある企業への配慮より、「在宅ワーカー予備軍」の意識を直接あおり
   立てる方向に向かっている、「在宅ワーク」「SOHO」というのが市場
   として認識されるようになってきたとの指摘有り。


2.在宅ワークと収入の関係

   次に「消費される在宅ワーク」ツリーの中で一度纏めて頂きました。

 ・個人事業者でも「事業」なんだから「儲かる」とは何か?ということ
   を考えないで「儲け」を論じちゃまずい。

 (1)期間
   一生涯も含めて、その期間内で儲かるかを検討する。当然、長い期間
    で考えた方がリスクは少なくなる。
   今すぐ儲かる仕事は無いか?」というのは、非常にリスキー

 (2)単独か総合か?
   商売の基礎は個々の商売が儲かる(収支がプラス)になるのが目標
   だが、税金の問題設備投資の問題等考えると、ある部門が赤字で
    あったり、借金返済があることの方が良い場合もあり得る。

 (3)初期投資の資金をどうするか
   初期投資は正に投資であって「返ってこない可能性は常にある」こと
   の認識が必要。「間違えなく儲かるから、WP買って」なんてのは
    危ないというのはFWORKでは繰り返しでている。従って「とりあえず
    失敗してもなんとかなる金額」から投資するのが本筋。

 これに続き、以下のコメントがありました。

 ・昨今「在宅ワーク」を収入を得るための手段ではなく、それ自体を
   目的として考える一群がかなりの数に上っている。「在宅ワーク」を
   自己実現・社会参加のためのものと考えている人々のなかには、金銭
   的に儲ける事が欠落しているとしか思えない人も存在する。
   そういう状況の良し悪しは別にして「金銭的な利益が上がってなくて
   も自分が充実しているから満足」という人の「収支感覚」が気になる
   が、「精神的な意味も含めて"本当に"儲かっているのか?」

 ・儲けを度外視する人の大半の思考
  (1)「儲けたい」と最初に言い出す(決心する)とハードルが高い。
  (2)「そこそこの儲け」あるいは「無償奉仕」なら出来る。
  (3)しかし、無償であろうと納期は納期、要求レベルは変わらない。
  (4)結果的に[無償、自己実現のためにやった]仕事が完成されず非難される。
  (5)最初に「儲けたい」を回避したのは、単なる先送りだったのでは?
   といったパターンになるのではないか?
  結果として「お金を受け取らない=儲けない」はあり得るとしても、
   その人が「儲けることが出来ない」とは同列ではない。「儲けることが
   出来る人が、儲け無しでやっている」という図式になるのではないか?
   儲けが無いからスキルは不要ともならない。町内会のビラ作りであれ、
   納期が遅れれば、文句を言われて自己満足も味わえない。

 ・「儲けを度外視しているひと」というのは、この「続ける」ということ
   に対する視点が不足。赤字でも、1〜2年程度なら精神的な充実感で埋め
   合せ可能だが、5年、10年と続けていくためには、少なくとも赤字を
   出さない事が必要であり、そのための方策をきちんと講じる必要。この
   認識が欠落したまま、自己実現や社会参加のための道具(それも"一過
   性の")として「在宅ワーク」がとらえられている状況が問題。


3.在宅ワークの阻害要因(前週の続き)

 ・情報収集の難しさ・情報源の少なさ。自分のアンテナがうまく働かない
   方面について、統一的な情報を提供してくれるところがあると助かる。
 ・利己主義(自分の環境のみを考え、他人の環境を考えないということ)
   プロはクライアントにどのようなサービスをしたら最も効果的かを考え
   業務を遂行する。仕事で利己主義を感じさせると淘汰される側に回る。

   ちなみにアンケートでは以下に示す要因が挙げられておりました。
   1. 家族の理解、協力が得られない………………………… 14 ( 9.15%)
   2. 新しい働き方として地域の人に理解されていない…… 29 (18.95%)
   3. 金融機関などの認知度の低さ
     (クレジットカード発行、融資など)…………………  41 (26.80%)
   4. 非課税限度額(年103万円)等を超えて働きにくい … 29 (18.95%)
   5. 社会保険上の位置づけが不明確である………………… 30 (19.61%)
   6. 税務手続きが煩雑、面倒である………………………… 26 (16.99%)
   7. 税、社会保険料の負担が重い…………………………… 43 (28.10%)


4.What is profession?(前週の続き)

 ・自分の従事している作業に対する責任感と自負心
 ・自己管理(時間管理)
 ・リスクの認識
 ・自分の限界の認識と、向上心
 ・自分の仕事に対する自信とプライド
 ・自分で進むべき道、超えるべきハードルを作れること(どんな仕事が
   ありますか?どんな資格が必要ですか?というのは、他人にハードル
   や道を用意してもらわないと何もできないということでは?

 ・「プロ意識」とは「高いプライド」、みっともない事(納期遅れ、
  美しくないデータ、作業に非常に時間がかかる、仕様違いや初歩的な
   ミス等)はやりたくない」という動機に支えられて仕事をしている。

   等の事項が列挙され、これに関連して以下の発言がありました。

 ・長年続けてきた人と同じだけのスキルを持て、という事ではなく「現在
   の自分にできる、ギリギリの努力」を常にして欲しいという意味で、
   始めたばかりの人にもプライドは持って頂きたい。その努力なくしては
   スキルアップは絶対に出来ない。

 ・絶対に必要なのが「ペイするかどうか」という感覚。一部プライドとも
   関係するが、初心者が「安かろう・悪かろう」の中で使い捨てにされ
   ない為にも「そんな値段ではペイしない」と仕事を蹴る勇気も必要。

 ・仕事としての認識がないまま、与えられた作業を「取りあえず」
   こなせば、在宅ワーカーとして認められるものという、甘い認識で
   作業をする人が主婦層には多い。


5.情報収集について

 ・アンケートの中に「仕事能力向上に役立てるため何をしてますか?」
   という項目で、情報収集のための努力をあげている人がかなりいる。

 ・これから仕事を始めようとする人にとって、何よりもまず必要なのは
   情報だが、「初心者」からの質問の中には、この「情報収集能力」が不足
   ・欠落しているとしか思えないものが見受けられる。「知らない」事は
   恥ずかしいことではないが、「知るための努力をしない」というのは思い
   切り恥ずかしいことだと思う。

 ・「情報化社会」という言葉が使われるようになってから久しいが、その
   一方、世の中全体に「情報に対する嗅覚」の退化が進んでいる。

 ・「もっと成長したい、もっと自分を磨きたい」という向上心があれば、
   そのための努力を惜しまないだろうし、そのための手段、方法を思い
   つくまで考え続けるはず。

 ・ 雑誌等の記事を見てFWORKにやって来る人は、それぞれその人なりの
  「向上心」(=エネルギーの元)を持っている。

 ・「判らない事は他人が教えてくれるものではない」と認識するところ
   から、ビジネスの一環としての情報が始まる。

 ・雑誌の中での「在宅ワークなんでもQ&A」の筆頭が「在宅ワークは初めて
   なのでとても不安。どんな心構えが必要か教えて下さい。」だった。

 ・雑誌のQ「参考になるような本はありますか?」に対し「在宅ワーカーの
   実態や最新の在宅ワーク事情を知りたいか、専門的な技能が必要な職種
   について調べたい場合」FWORK。つまり、本を読むのと同じ感覚、何でも
   相談室と同じ感覚で発言をアップされているのではないか(つまり、本人
   はしっかりと情報収集をしているつもりではないか)と推測される。そこ
   では予習などという概念は無い、むしろここが予習の場と考えている。
   そこで、厳しいRESが付くと「話が違う」「初心者排除」という反応が
   誘起される。クライアントが見ているなどとは、想像の範囲外。

 ・良くも悪くも「在宅ワーク」というものが社会に認知されつつある今、
   現役の在宅ワーカーがより能動的に情報を発信していく必要がある。


6.「輝く」

   次々週に続く発言として、トルストイの小説の一節 「勤務上の喜びは
 自尊心の喜びであり、社交上の喜びは虚栄心の喜び」を引用された上で、
 以下に示すコメントがありました。


 ・金銭を得る為に仕事をするが、そればかりではない
   単に仕事を探すのなら、パートでスーパーのレジ打ちでも事務でも良い
   が、自分の得意とする分野で、なおかつ、在宅でPCという媒体を使い
   仕事をする『在宅ワーク』にこだわる所以はこの辺にも要因の一端。

 ・しかし、実際に在宅で仕事をしてみると、決して『輝いて』はいない。
   多忙時、家の中は修羅場と化す。自分自身は『やまんば』のように髪も
   ふりみだし、見られたものではない。
  化粧し、こぎれいな洋服を着て、PC/WPの前でにっこり微笑み、賢そうな
   お子達が母の隣でニッコリ笑い、理解のある御主人もニッコリつーのは
   本当に仕事をしようとハマッたら、現実にはない。

 ・しかし、仕事を通して、家庭を構成している人間以外からも、評価され、
   認められる、必要とされる喜び・快感というのは決して悪くはない。
   それを求めるのは主婦に限らず、人間として当然の心の動きだと思う。


以上、中原 新太郎



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